2019年12月24日とにかく話をしよう
先週日曜日に漫才のM-1グランプリが行われ、テレビで生中継されました。
私は昔から漫才や落語などが好きで、よく見たり聞いたりしています。
今年のM-1も録画して楽しみました。
ところで、このM-1には毎年多くの若手漫才師が登場しますが、その多くは関西出身です。
過去の優勝者も圧倒的に関西出身者が多いですね。
このことに関連して、ある話を思い出しました。
全国規模で事業を展開されている某社の方とお話をした時、こんなお話をしてくださったのです。
「うちの会社は、幹部にあがっていく人は関西出身者が多いんですよ。アピールする力が違うらしいんです。人数は関東出身者が群を抜いて多いんですけどね。」
M-1と会社の人事を同じレベル感で考えてよいか疑問はありますが、共に「話す」という要素がからんでいる点は気になるところです。
私も関西出身ですので断言できますが、関西にも無口な人はいくらでもいますし、物静かで引っ込み思案という人もかなりの割合でいます。
しかし、一般に「話す」ということに関しては、関西の人の方が間違いなく積極的だと感じています。
小学生の頃から、何か話しかけられると、それに対するリアクションや意見を求められることが少なくありません。
何も言わないと、「何か言ってよ!」と催促されます。
また、面白いこと=ちょっと違った視点での話をすると受けるので、そういうことをいつも考えている人も多いように思います。
こうしたことを考えていて、ふと話し方教室のことを思い浮かべました。
話し方教室を受講されている方で、人と話をするのが苦手という方、言葉がすぐに出てこないという方などは、一般的に口数が少ないようです。
話し方教室では「必要なことを、必要な時に、必要なだけ話す」ということをお伝えしていますので、口数が少ないこと自体に問題はありません。
気になるのは、話をしないことで、考えること、感じることもおろそかにされていないだろうか、ということです。
話し方教室では、「話すことは考えること」ということもお伝えしています。
体験したり、見聞きしたりしたことについて、感想を持ち、それに自分なりの考えを加える。
また、その体験や見聞したことが何故起こったのかと掘り下げて考える。
もしくは、今の体験等がこんな場合に起こったらどんな結果になっただろう、と想像してみる。
こうしたことを繰り返すことで、話すネタができてきます。
そうすると言葉が自然と出てきますし、話もスムーズにできるようになります。
しかしながら、よし、じゃあ明日から感じたり考えたりするようにしよう、と思ってもなかなか実行しにくいものです。
人は考えるよりも、まず具体的に行動する方が習慣化し易い傾向があります。
なので、話が苦手、という方は、とにかく自ら話す、その話の中に自分の意見を入れる、ということをしてみてください。
関西の人が周りの人から話すことを求められる環境にあるのと同様、そうした環境を自ら作り出してみてください。
自分の意見を話す機会が増えていけば、考える力も自然とついていきます。
話すのが苦手だという方は、少しずつでも、自ら積極的に話すようにしてみてください。